一瞬でYESを引き出す心理戦略
人には、意見を受け入れやすいタイミングや状況があるようです。皆さんも経験があったりしませんか。なぜか自分や他の人の意見がすんなり通ってしまったこと、逆に、論理が完璧なはずの自分の意見がなぜか通らないこと、お店に行った時に特に買う予定がなかったのに定員さんの勧めにのって買い物をしてしまったこと等の経験はありませんか。
なぜそんなことが起こってしまうのでしょう。意図的にこのような状況を作って、相手を自分の意図する方向に誘導できればいいですよね。
本書の中では、すんなり相手を自分が意図する方向に誘導するための方法について、心理学とメンタリズムを組み合わせて説明してくれています。原理原則というよりは具体的な内容が多いと思いましたのですぐに実践できる内容をまとめてわかりやすく紹介していきたいと思います。
観察すること
メンタリズムは相手のことを理解するまたは理解しているように見せかける技術ですので、まずは、相手を観察して材料を集めます。
相手の表情からは興味があるのか、つまらないと感じているのかが読み取れます。興味があって面白いと感じている時に人は、口を軽く開き、目線を上下に動かすようです。つまらないときは、目線は左右に動かしたり、口を固く閉じたりします。
誰かに話しかけたときに嫌悪を感じているか、驚きの表情で少なくとも嫌われていないというのも判別できます。嫌悪の表情は鼻にしわが寄る、眉が下がる、下瞼が上がる、上唇が上がります。驚きの表情は眉が上がる、目を大きく見開く、口が開く、アゴが下方へ下がります。
ただ、最近はマスクをしている場合が多いので、目や目線を見ることで相手の感情の変化を読み取るのがいいんじゃないかと思います。
本書の中では相手の持ち物や口癖なども観察するように言っていますが、他にも服装や体系も十分に観察対象になると思います。
本書では細かく触れていませんが、人の表情のように、持ち物で言えば、相手のカバンが大きいと不安を感じている可能性があったり、体系で言えば、太っている人は病気がちになりやすく、メンタルを病みやすいという可能性があったり、相手の見た目から読み取れる情報もあったりするので調べてみるといいかもしれません。
分析すること
相手を観察することで、相手を分析するための材料をそろえることができました。情報を組み合わせることで相手の生活スタイル予測し、どのような人柄なのかを考えていきます。
本書ではすれ違った夫婦の会話と服装から一般的な予測をしている感じだったので、特別な技術を意識することなくなるべく細かく相手のことを予測するようにすることが大事と思います。観察をしっかりとできれば、おのずと分析も細かいものになってくると思います。
信頼されること
信頼されるうえで意識してほしいのは、「認知的不協和」です。これは次の誘導の部分でも活用できる知識です。
「認知的不協和」とは、人は自分の感じている感情と行っている行動に矛盾が生じている状態のことを指します。そして、人はこの感情と行動の矛盾を無意識のうちに不快に感じてしまうので、矛盾を解消するために自分の行動を修正するか、自分の態度を修正します。
具体的な例として、喫煙は健康被害だけではなく、値段が高い(最近また値上げしたみたいですね)、臭い、他人への迷惑等の問題があり利点は考えにくいです。しかし、喫煙者はたばこが害でしかないこと知っていつつたばこを吸っているので、たばこを吸うという行動とたばこに対する態度に矛盾が生じていることになります。そこで喫煙者はたばこを吸うと落ち着く、気分転換によい、たばこはコミュニケーションツールなどたばこは良いものであり、嗜好であるという考えを持つようになり、たばこに対する態度を変えます。
人は行動を変えるのは面倒なので、認知的不協和が生じると態度を変えることで認知的不協和の解消をしようとします。
認知的不協和を活用することで信頼を獲得することができます。信頼して欲しい相手にあなたを信頼する時に取る行動をとらせることで、相手はあなたを信頼しているという態度をとるようになるため、結果的に信頼を獲得することができます。
では、相手に行動させるためにはどうすればいいのでしょうか
① 自己開示
自分のことを打ち明けるようにしてみてください。すると相手は「相手が自分のことを話してくれたから自分もちゃんと話そう」とお返しをする考えが起こりやすいです。普通は信頼できる相手じゃないと自分のことを詳しく話すことはしません。ここに認知的不協和が発生し、相手はあなたを信頼している態度に変わりやすくなるのです。
② 真似る
人は自分と同じ、似ているものに親近感を覚えます。人類は進化の過程の中で類似性があるものは味方であり、攻撃性をなくすため安心する性質が備わりました。これを利用するため、相手の行動をまねしてみてください。例えば、話し相手が飲み物を飲んだら自分も飲み物を飲むとか、相手がネクタイを触ったら自分もネクタイを触るといったところです。
類似している相手なので、安心する。この安堵感があなたを信頼する態度へと変化します。
ただし、相手のまねをしていることがわかると効果がなくなってしまうためさりげなくやりましょう。
③ 自分のことをわかってくれる
相手の観察、分析から得られた結果を活用してみましょう。例えば、相手について、夫婦仲で何か悩みを持っている可能性が考えられた場合、「自分は夫婦間で悩んでいることがあって困っているんですよ。どうですか?夫婦仲よくやっていますか?」というような感じで聞いてみると、相手は自分の悩みを話してくれるかもしれません。そして、観察と分析の結果で得られたことを踏まえて、話を深堀していきます。
さすがにいきなり夫婦仲の話とかしたら重すぎるので様子を見てからそういうところを出していくのがいいと思いますが、重い話をできればできるほど、認知的不協和が働きあなたはあなたに信頼される存在になります。
誘導すること
ここまで相手の信頼を得るための方法を紹介してきました。実は、相手の信頼をちゃんと勝ち取っていれば下手にテクニックを使わなくてもお願いをきいてくれたりするので、誘導はできると思います。でも、より誘導できる可能性を高くするためのテクニックを紹介します。
①誘導する時間帯
相手を誘導したいのであれば、昼食後もしくは夕方を狙いましょう。昼食後は血糖値が上がり、集中力が落ちると言われています。そのため、相手はあなたの言うことをききやすくなります。
また、夕方の時間帯は、相手の認知能力が疲弊してしまっているため、深く考えるということをしにくい状況にあることが考えられるからです。人は判断を繰り返すたびに脳が疲弊していきます。つまり、夕方の時間帯は相手がすでにたくさんの判断をしている状況が終わった後で脳の認知能力が落ちている可能性が高いと言えるわけです。相手が深く考えないタイミングを狙えば、あなたの言うことをきく可能性が高まります。
②相手に選ばせる
相手に選択させるのも効果があります。例えば、ある3種類の商品があるとします。1つは、千円の質の悪い特売品、1つは5千円の質値段ともに中程度の品、もう1つは1万円の質も高い高級品が選択肢にあると、中くらいの5千円の商品が選ばれる可能性が高くなります。これは、ゴルディックス効果と呼ばれています。ゴルディックス効果とは、人は3段階の選択肢があると真ん中の選択肢を取りやすくなるというものです。真ん中の選択肢をあなたが選ばせたい選択に当てはめることで相手を誘導することができます。
また、相手は自分で選択をしていることから満足感を得ることもできます。
以上が相手を誘導してYESを引き出すための一連の流れのまとめになります。本書の中では、今回紹介した以外のテクニックや苦手な人への対処法、謝罪のテクニックなど具体的内容が多数書いてあります。気になる方は是非本書を購入してみてください。
人を誘導するって悪いことのように感じるかもしれませんが、それは相手を不幸にする目的でつかったらそうなります。でも、相手に幸せになってもらいたいと思って誘導するのであればそれはいいことだと思います。
人間は新しいものを拒む傾向があり、なかなか良い方向にも悪い方向にも変わることが難しいです。相手を誘導するのは難しいことなので、今回のテクニックを使って相手を幸せにできる方向に誘導してあげてください。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
また、次回の内容をお楽しみに